こんばんは。Aoiです。
一条工務店の「全館床暖房」はほぼすべての生活スペースに敷設されるため家中が暖かく生活していて大変快適です。我が家では床暖房生活2シーズン目を送っていますが、本当に快適で外に出たくありません。
しかし、全館同じ温度設定でも同じ室温になるわけではなく、エリアによっては低い室温になってしまいます。
今回は冬場の床暖房生活の住み心地に直結する床暖房エリア分けにおいて設計時に注意したいことについて紹介します。
一条工務店「全館床暖房」エリア分けのポイント
一条工務店の全館床暖房では各階毎にエリアを4つまで分けて各エリア毎に温度設定することができます。エリア分けの最低面積は3帖となります。
このようなコントローラーが取りつき、各エリアの温度設定を行います。
冒頭でも説明しましたが、同じ温度設定しても家の中はすべて同じ室温になるわけではありません。冷えやすいエリアについては室温が低くなります。室温が低い箇所があると床をつたって冷気が流れて寒さを感じます。
冷えやすいエリアを分けて温度設定を高めにすることで全館室温をほぼ均一にして住み心地を良くする必要があります。
冷えやすい箇所とは?
冷えやすい箇所はどこになるのかと理由について説明します。
①玄関ホール
・玄関ドアの性能が著しく低い(最高断熱性のK1.5でもトリプルサッシの半分程度の断熱性能)
・土間部分と基礎の立ち上がり部分に断熱材がない
・床暖房敷設エリアが限定的で土間部分に床暖房が敷設されていない(一部寒冷地ではされる場合あり)
・開閉することによる外気の流入
冷えやすいポイントが満載な玄関ホール。おそらくどの家においても一番冷えやすいエリアになると思います。
②お風呂場
・標準のブラインド入り開き戸はペアサッシのためトリプルサッシに比べて性能が劣る(約1.5倍は違う)
・床下に一部断熱材が入っていない
・床暖房敷設エリアが限定的で洗い場のみ
・全裸になる場所なので寒さをより感じる(脱衣所も然り)
唯一家の中で全裸になる箇所。(裸族は除く)体感では一番寒さを感じる場所です。
今ではブラインド入りのサッシではなく、トリプルサッシを採用すればよかったと思っています。ブラインド入りのペアサッシは外気温が低いと結露もします。トリプルサッシでは結露することはあまりないです。
③北側に面した居室
・日射が見込めないため日射が見込める他のエリアと比較して冷えやすい
私の住む富山県では冬場の日射があまり見込めないためあまり気にしていませんでしたが、冬場の日射が見込める地域の方は北側のみしか窓がないという部屋と他の部屋を比較するとかなりの違いがあると思います。
これらの箇所については床暖房のエリア分けをLDKや他の居室と一緒にしないほうが良いです。
我が家のエリア分けについて紹介
我が家の床暖房エリア分けをどのようにしたのか紹介します。わかりやすく色分けしました。
1階
1階では
①玄関ホール、脱衣所、お風呂場
②洗面所、トイレ
③LDK
の3つに分けました。
本当は玄関ホールのみに分けたかったのですが、最低面積が3帖だったので同じく冷えやすいお風呂場を巻き込んで直列に分けました。
★の箇所はテレビボードとゴミ箱が置かれる場所だったため、床暖房の範囲外にするべきでした。そこまで気が回りませんでした。我が家の後悔ポイントです。
2階
2階は
①主寝室、書斎、WIC
②息子の部屋(予定、現在は空き部屋)
③娘の部屋(予定、現在は空き部屋)
④ホール、トイレ、ユーティリティ(ランドリールーム)
の4つに分けました。
各居室は日射によって室温の変化がある可能性と人によって体感が違うことから分けるようにしました。
我が家の運用方法と各室温の状況
居室は22~23℃を目指して温度設定を調整しています。ほかのエリアとの室温差は2℃以下が目標です。
同じ温度に設定した場合の各室温の状況
全館26℃の温度設定にした場合の各室温の状況です。
天候は雨時々雪で3.6℃/2.5℃(最高気温/最低気温)でした。
LDK・・・22.2℃
玄関ホール・・・19.9℃
お風呂場・・・19.8℃
2℃以上の開きが出てしまっています。
↑玄関ホール温湿度状況
↑お風呂場温湿度状況
ちなみに床暖房温水パイプが敷設されない階段の踊り場を測定してみましたが、室温は21.5℃で若干低く出ますが、寒いと感じることはありません。(床の冷たさはどうしても感じてしまいますが)2階もすべて床暖房を常時稼働させているため、階段が冷えるということはないのです。
↑階段踊り場の温湿度状況
寒いエリアを高め温度設定にした場合の各室温の状況
全館26℃設定で玄関ホールとお風呂場を29℃設定にした場合の各室温の状況です。
玄関ホール・・・20.3℃
お風呂場・・・20.2℃
若干室温が上がりLDKとの温度差は2℃以下になりました。
もう少し上がるかなと思ったのですが、床暖房敷設箇所が限定的なため、極端に温度を上げないとなかなか改善が見られないです。我が家はとりあえずはこんな感じで運用しています。
↑玄関ホール温湿度状況
↑お風呂場温湿度状況
温水パイプが重なる箇所を冷えやすいエリアに配置する手もあり
こちらは床暖房温水パイプのレイアウト図です。赤丸で囲った箇所がパイプが重なる箇所で他と比べると床表面温度が高く出ます。
・エリア分けの境界部分
・ヘッダーボックスの付近
の2点が重なる部分になります。
床暖房パイプは耐力壁のある箇所に通せないので、その場合は迂回する必要があります。我が家のケースはそのようなことも重なり、エリア分けの境界部分において極端にパイプが密集するという事態になりました。
床表面温度が高い=室温の上昇につながります。
一番パイプが重なるエリア分けの境界部分においては2℃以上高く出ます。
この重なる部分を冷えやすいエリア付近に配置することで改善を見込むことができます。我が家ではこの重なる部分が玄関ホールとLDKの境界にあるため、玄関ホールからの冷気の流入を多少は緩和してくれていると感じています。
ただ、なかなか狙ってできることではありません。これをありきに間取りを考えるのはナンセンスです。
温水パイプが集約されたヘッダーボックス周りは必ずパイプが密集することになるので、ヘッダーボックスを冷えやすい玄関ホール等に設置することもおすすめです。ただ、ヘッダーボックスも外壁や耐力壁面には設置できないという制限や室外機との距離の問題もありますし目立つので隠したいという心情もあると思いますので無理に考えて設置することもないと思います。
我が家ではヘッダーボックスは階段下に設置しました。制限の関係でこの箇所ぐらいしか設置する場所がありませんでした。
設計時には床暖房の配管レイアウト図を確認されることをおすすめします。何か面白い発見ができるかもしれません。
まとめ:冷えやすいエリアはLDKや他の居室と分けよう!
今回は一条工務店の全館床暖房エリア分けにおいて設計時に注意したいことについて紹介しました。
全館同じ温度設定にしても全館同じ室温になるわけではありません。冷えやすいエリアは室温が低く出ます。室温差が生じると冷気が流れて寒さを感じます。特に我が家のように22℃ぐらいで室温を調整していると体感は顕著に現れます。冷えやすいエリアの温度設定を高くして室温差をなくすことで22℃ぐらいの室温でも全く寒さを感じることなく過ごすことができます。
とにかくお伝えしたかったことは
・玄関ホール
・お風呂場
・北側に面した居室
においては冷えやすいエリアになるため、LDKや他の居室と一緒のエリアにしないほうが良いということです。
設計時は様々なことを決めていかなければならないため大変ですが、床暖房のエリア分けは冬場の床暖房生活の住み心地に大きく影響する事項なので設計士さん任せにするのではなく、必ず確認するようにしましょう。
本日は以上です。