こんばんは。Aoiです。
一条工務店は量産するハウスメーカの中ではNo.1の高気密・高断熱住宅で知られていますね。一条工務店に限らずですが、高気密・高断熱住宅ではエアコンでの24時間全館冷房を推奨されている方々がいます。
目的はどこにいても涼しいということもありますが、一番は全館除湿を行い相対湿度60%以下にすることでアレルゲンであるダニ・カビの発生を抑制するものです。
私も参考にしながら2階に設置したエアコン1台で全館冷房できるのか試してみましたので方法と結果についてお伝えしたいと思います。
我が家のエアコン設置位置
2階のまだ使用していない北西に位置された子供部屋に10畳用のエアコンを設置しました。エアコンは富士通ゼネラルのノクリアです。購入した決め手は外気温の低い梅雨の時期に大活躍する「再熱除湿」機能付きだったことと、サイドファンのデュアルブラスターが格好良かったことです。
部屋には風の流れを遮らないようにモノは置かないようにしています。サーモオフの原因にもなります。
エアコンのサーモオフとは設定温度に達すると稼働を停止して送風モードになることです。エアコン内部の水分が送風によって拡散されるので湿度がすぐに上がる場合があります。送風モードでは除湿されませんので外気の湿度が高いと内部に取り込まれますのでさらに湿度が上がってきます。サーモオフを起こさないようにする環境づくりとエアコンの温度設定が重要です。
↑エアコン設置部屋。部屋には空気の流れを妨げるものは何も置かずにサーモオフの誘発を防ぐ。サーキュレーターを使用して空気をホールに送り込んでいる。
再熱除湿とは部屋の空気を冷やして除湿した後に、暖めて室内に戻していますので室温の低下を防ぎます。除湿に特化した機能ですね。梅雨時期のような低温多湿の状態で大活躍します。全館冷房目的でのエアコン選定では再熱除湿機能のあるエアコンをおすすめします。
全館冷房実施した結果~各部屋の状態について~
その前に相対湿度と絶対湿度の違いについては以下のようになります。
相対湿度は温度によって増減するのに対して、絶対湿度は1kg当たりの水分量なので一定です。湿度管理するときは相対湿度だけでなく、絶対湿度を見ることも重要です。
以下画像は我が家の全館冷房の結果です。ちなみに5/27から切らずに24時間稼働しつづけています。(切るタイミングがわかりません・・。)初めて稼働した日、階段から冷気が降りて来るのを感じた時この家に住んで初めて性能の良さを実感して感動しました。
今回のケースは外気温は30度オーバー、湿度はそこそこ高い状態です。エアコンは22度設定でトイレと収納以外のドアをすべて開放して全館冷房に臨みました。トイレも本当は開放したいのですが、息子の排泄物があるため臭いが気になり開放できません。
エアコン設置場所こそかなり低い温度になっていますが、その他の部屋は25~26度を推移しており、相対湿度は60%以下、絶対湿度12~13g/㎥でかなり過ごしやすい状態になりました。
特に全館冷房を意識した設計はしていませんでしたが、リビング階段ということもあり、1階LDKはうまく冷えてくれたのかなと感じました。
↑LDK温湿度計の状況
ただし、これは成功例で近年の夏は異常な猛暑日が続いていますが、室温がなかなか下がらずに扇風機やサーキュレーターを使用して乗り切っている状態です。1階の室温は29度近くまで上がってしまいますので、 あまりに暑い日は1階のエアコンを補助的に稼働しています。
使用機材
絶対湿度を測定できるみはりん坊ダブルと外気温が室内にいてもわかるコードレス温湿度計THD501はおすすめです。
気になる電気代は?
HEMSのデータを元に24時間全館冷房している2F エアコンの電気使用量と電気代をまとめていました。
基本的に天気が雨模様で気温が低い場合は「再熱除湿」、晴れている場合は「冷房」にしていました。昼間と夜で切り替えることもしばしば。正直、まだどのタイミングで切り替えるのかわかっていないところがあります。
低すぎる電気使用量の日がありますが、うまくエアコンが稼働していない可能性があり、参考にならないかもしれません。注目は赤字で記した6kWhオーバーになっている個所です。7/6,7/7は天候は雨で24時間「再熱除湿」運転していました。7/15-17は35度を超える猛暑日で「冷房」運転でした。この辺が頭打ちとなりそうです。
電気代も記載しています。我が家は10.5kWの太陽光発動を搭載しており、余剰買取です。昼間発電した電気は自己消費に充てます。そのため、電気代が安く済んでいます。我が家は北陸電力で電気料金は以下の通りです。昼間は売電価格(22円/kWh)よりもはるかに高い34円/kWhなので自己消費したほうがお得になります。24時間全館冷房と太陽光発電の余剰買取は相性がいいと思います。
所感ですが、24時間稼働しているにも関わらず、それほど電気代はかからないといった印象を持ちました。
以下記事は1シーズンのエアコン冷房の消費電力と電気代をまとめたものです。
24時間全館冷房で感じたメリット
・どこにいても涼しい、特に風呂上りは気持ちいい
・直接風が当たらないので快適、冷房病とは無縁
・全部屋相対湿度60%以下でダニ・カビが発生しない(お風呂もすぐ乾く!)
・洗濯物の室内干しがすぐに乾く
・電気代が予想以上に安い(全館空調システムではこうはいかない)
・防カビ・ダニ対策の道具が不要(タンスにゴンゴンとか)
・木製の楽器(ギター等)にいい環境(ネックの調子も良い!)
こんな感じでしょうか。また一夏越した後で書きたいと思います。冬の全館床暖房並みに快適だと感じています。全館床暖房標準仕様の一条工務店「i-smart」等にお住まいの方はぜひ試していただきたいです。
エアコン全館冷房で感じたデメリット
・ドアがすべて開放されるのでプライバシーがまるでない
・エアコン設置部屋が寒すぎるので使えない、モノも置けないので物置としても活用できない
デメリットとして感じたのはこんなところです。プライバシーがない点については子供が小さい頃はいいのですが、将来致命的なデメリットに様変わりすることでしょう。
対策としてはエアコンを人の常駐しない場所(2階ホール、玄関ホール、階段吹き抜け部分等)に取りつけることや、各居室のドアにエアパスファンを取り付けて、締め切っていても冷房で冷えた空気が居室に流入できるようにするといったことが挙げられます。
最後に
今回は一条工務店「i-smart」で建てた我が家で2階エアコンで全館冷房できるのか試してみた結果について書きました。
まだまだ改善点はありそうですが、ひとまず成功を収めたといってもよさそうです。ただ猛暑日には1階のエアコンを補助的に使用することも多く、もう少しエアコンの位置や日射などを考慮した設計にして全館冷房しやすい環境にするべきだったと後悔しています。そうすれば猛暑日でも1台でまかなえたのではないかと思っています。
全館冷房で重要なエアコンの位置と窓に関する後悔ポイントと対策について以下記事でまとめていますので、合わせてお読みいただければと思います。
・【後悔ポイント】エアコンの位置をもっと考えるべきだった【最適解はどこだったのか?】 - Aoiのi-smartで快適ライフ
【後悔ポイント】一条工務店「i-smart」でありがち?一つ一つの窓が大きすぎた - Aoiのi-smartで快適ライフ
電気代も予想以上にかからないとことがわかりましたので高気密・高断熱住宅にお住まいの方にはぜひ試していただきたいです。一条工務店の「さらぽか空調」のような各社持っている全館空調システムと比較するとイニシャル費もそこまでかかりませんし、電気代は半分以下になると思います。
【2019年8月追記】
現在2シーズン目の夏を迎えていますが、日射が厳しい日では2階エアコン1台では室温・湿度ともにちょうどいい室内環境にするのは厳しいため、1,2階のエアコンを24時間稼働させて、冷房と再熱除湿を切り替えつつ、空調管理しています。
【2020年8月追記】
現在3シーズン目の夏を迎えていますが、7月は外気温がそこまで高くないため、基本は2階エアコン1台+サーキュレーターで対応しつつ、1階はお風呂や料理をする時間等、一時的に湿度が上がってしまうタイミングがあり、そういったときに1階エアコンを適時稼働させています。8月の猛暑日は窓の日射遮蔽をしつつ、何とか1台で乗り切りたいですが、やはり1階の室温はオーバーヒート気味になってしまいます。
【2024年9月追記】
2023年、2024年は記録的猛暑の夏でした。2階エアコン1台での全館冷房はほぼ不可能で、1階2階のエアコン2台を使用して全館冷房を実現しました。この猛暑の夏でエアコン1台での全館冷房は非常に難易度が高いです。徹底した日射遮蔽と全館冷房に最適なエアコンの位置と間取りを考えなければ厳しいと感じました。
本日は以上になります。
【一条工務店】「i-smartⅡ」住み心地総括:住んで1年経った感想!一条ハウスは本当の健康住宅 - Aoiのi-smartで快適ライフ